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今回「就活マニア」が自信を持ってお届けする記事は「【就活マニア 公式】建設・不動産・住宅業界徹底分析!これを見ればまるわかり!」です。ではどうぞ!
【就活マニア 公式】建設・不動産・住宅業界徹底分析!これを見ればまるわかり!/
この記事では、新卒就活のため各業界の業界分析・企業分析をより解像度が高い情報を紹介します。就職活動に欠かせない業界動向・企業動向を理解し、自分の就職活動をより快適・効率的にするための一助としてご活用いただければ幸いです。
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建設業界のマーケット分析:公共工事と民間投資の相関関係
■ゼネコンが頂点のピラミッド構造
建設業界は日本の国土開発において重要な役割を果たしている。その事業領域は非常に広範囲にわたり、道路、港湾、空港、ダムといった社会のインフラ(基盤)整備から、商業ビルの建設まで、幅広く国土開発を担っている。土木、高層ビル、電気工事、空調工事など、それぞれの会社が得意分野を持ち、専門性を活かして業界全体で多様なニーズに対応している。
業界の構造を見ると、建設計画から施工管理まで総合的に手がけるのがゼネコン(総合建設業)である。ゼネコンは大規模プロジェクトを中心に、建設工事全体の管理と調整を行う。その下請けとして工事の一部を請け負う業者は「サブコン」と呼ばれ、専門的な技術や知識を活かして特定の工程を担当する。
建設業界の特徴的な点として、その構造がピラミッド型を成していることが挙げられる。頂点に立つのはひと握りの大手ゼネコンであり、これらの企業が業界全体をコントロールする立場にある。中間層には中堅ゼネコンや専門工事業者が位置し、底辺には多数の中小工務店が存在する。実際、建設業のうち約9割は従業員数20人以下の中小工務店が占めている。
このピラミッド型の構造により、大規模プロジェクトから小規模な修繕工事まで、様々な規模と種類の建設需要に効率的に対応することが可能となっている。大手ゼネコンが大規模プロジェクトを請け負い、そこから派生する様々な工事を中小の業者に分配することで、業界全体として幅広い需要に応えることができるのである。
建設業界の動向は、しばしば日本経済の指標として注目されている。その理由として、まず公共投資との密接な関係が挙げられる。政府の経済対策の一環として公共事業が増加すれば、建設業界の需要も直接的に増加する。また、民間企業の設備投資意欲も建設需要に大きく影響する。景気が上向きの際には、オフィスビルや工場の新設・拡張工事が増加する傾向にある。
さらに、建設業は労働集約型産業であるため、その活況は雇用創出に大きな影響を与える。つまり、建設業界の景気は、公共投資、民間投資、雇用といった経済の重要な要素と密接に関連しているのである。
■コロナ禍で民間需要が縮小へ
建設業界の業績は、公共工事と民間企業の設備投資の動向に大きく左右される特徴を持つ。公共部門では、公共施設の建設、道路や橋梁などの土木工事を主に担当している。一方、民間部門の需要は多岐にわたり、オフィスビル、商業施設、マンション、倉庫、さらにはメーカーの生産設備など、幅広い分野での建設需要がある。
近年、建設業界は好況期を経験してきた。東京オリンピック関連の建設需要や震災復興事業、大都市における再開発プロジェクト、さらには訪日外国人の増加を見込んだホテルや商業施設の建設など、大手ゼネコンの業績は好調に推移してきた。これらの大規模プロジェクトにより、業界全体が活況を呈してきたのである。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行は、建設業界にも大きな影響を及ぼしている。パンデミックの影響により、工事需要は縮小傾向に転じた。都市部における再開発プロジェクトは依然として継続しているものの、新規受注の獲得をめぐる競争は一段と激化している。さらに、建設資材価格の高騰も業界の課題となっており、各社の採算悪化が懸念されている。
このような厳しい状況下でも、建設業界には依然として明るい材料がある。老朽化した道路やトンネルの補修工事、水害を防ぐためのダムや堤防の整備、公共施設の耐震化など、公共工事の需要は堅調に推移している。また、電子商取引(Eコマース)の急速な拡大に伴い、物流施設の建設需要も高まっている。特に、海外における物流倉庫の開発は好調で、この分野への投資を拡大している企業も見られる。
さらに、第5世代移動通信システム(5G)関連サービスの拡大により、データセンター建設の需要も今後増加すると予想されている。このような新たな技術やサービスの登場が、建設業界に新たな事業機会をもたらしているのである。
しかし長期的な視点で見ると、日本国内の建設需要は人口減少に伴い低下していくことが予想される。この課題に対応するため、各建設会社は新たな成長戦略を模索している。その一つが海外市場の開拓である。新興国におけるインフラ整備や都市開発事業など、海外プロジェクトへの参画を積極的に進めている企業が増えている。
国内市場の縮小が避けられない中、海外市場での競争力強化が建設業界の将来を左右する重要な要素となっている。技術力や品質管理能力など、日本の建設業界が培ってきた強みを活かしつつ、現地のニーズや商習慣に適応していく柔軟性が求められている。
また、環境への配慮や持続可能性への取り組みも、今後の建設業界にとって重要なテーマとなるだろう。省エネルギー建築やリサイクル材の活用、再生可能エネルギー関連施設の建設など、環境負荷の低減に貢献する事業の拡大が期待されている。
このように、建設業界は大きな転換期を迎えている。従来の公共工事や民間投資に依存するビジネスモデルから脱却し、新たな需要の創出や海外展開、そして環境への対応など、多角的な戦略が求められている。変化する社会のニーズに柔軟に対応しながら、持続可能な成長を実現できるかどうかが、今後の建設業界の発展の鍵を握っているといえる。
プラントエンジニアリング
■商社と手を結び、海外の大規模なプロジェクトを手がける
建設業界とプラント産業は、日本のインフラ整備と産業発展に不可欠な役割を果たしている。建設業界の業績は公共工事と民間設備投資に左右され、近年は東京オリンピック関連工事や都市再開発などで活況を呈してきた。しかし、コロナ禍による需要縮小や資材価格高騰など、新たな課題に直面している。
一方、プラント産業は生産設備一式を指し、石油・化学・発電・通信・鉄鋼・水処理など幅広い分野をカバーする。プラントエンジニアリング会社は、調査から運転までを一括して請け負い、高度な専門性を要する。現在の主要市場は海外であり、新興国のインフラ整備需要を背景に国際競争力の向上に努めている。
両産業とも、国内市場の成熟化に伴い海外展開を強化している。建設業界では物流施設やデータセンターなど新たな需要も見込まれる一方、プラント産業では巨大プロジェクトを商社と共同で推進するケースが増えている。
国内では、政府の「脱炭素」宣言を受けて、環境配慮型の建築やインフラ整備、再生可能エネルギー関連のプラント開発が注目されている。この潮流は両産業に新たな事業機会をもたらすと同時に、技術革新の必要性も高めている。
今後、建設・プラント産業は、国内の人口減少や環境規制強化、海外市場での競争激化など、様々な課題に直面する。しかし、デジタル技術の活用や環境配慮型事業の拡大、そして海外での付加価値創出など、新たな成長戦略を模索することで、持続可能な発展を目指している。変化する社会ニーズに柔軟に対応し、技術力と創造性を発揮できるかが、両産業の将来を左右すると考えられる。
■開発業を中心に流通業、管理業など不動産業は大きく4つに分けられる。
・「開発・分譲(デベロッパー)」・・・・・自社で土地を取得して、宅地を造成したり、オフィスビル・マンションを建設するなどして販売する。
・「賃貸」..・・・自社で不動産を所有し、オフィスや住居として第三者に貸す。
・「流通(仲介)」……不動産を売りたい人と買いたい人、貸したい人と借りたい人の間に立ち、物件情報の収集・提供や契約の際の仲立ちをする。
・「管理」..・・・・ビルやマンションの維持・管理を行う。大手企業が開発・分譲・賃貸・流通を総合的に手がけるほか、中小企業が特定地域に密着して流通や賃貸を、大手系列の子会社が管理を手がけている場合が多い。このほか、投資家から資金を集めてビルなどを開発・運用し、家賃収入などの利益を投資家に配当する「不動産ファンド」ビジネスがある。不動産各社が手がけるほか、自社では不動産開発を行わず、物件を購入して不動産を運営する専門企業もある。
■コロナ禍の影響で需要が変化
不動産会社では、都市部のオフィスビルの賃貸料が大きな収益源だ。コロナ禍を機に在宅勤務が定着し、大企業ではオフィスを解約・縮小。一方、賃料下落をチャンスととらえ、スタートアップ企業のオフィス拡張・移転が活発化している。シェアオフィスやコワーキングスペースの需要も増加。働き方やオフィスの活用法の変化に応じて戦略を変えていく必要がありそうだ。
マンション販売は時勢によって大きく変動する。景気が悪化すれば販売数は当然低下するが、「住宅ローン減税」など政府の支援によって市場が活性化することもある。現在は首都圏の新築マンション市場が活況だが、高額化が進む。一方、在宅勤務への移行で、郊外のマンションの需要も高まっている。
首都圏では、新築向けの用地取得は今後厳しさを増す。そこで中古のビルやマンションを1棟丸ごとリノベーションし、販売・賃貸する動きが活発化しており、手法も多様化している。ほか、ネット通販拡大に対応する物流施設、データセンターなど、有望な分野への参入を図っている。
大手では、現在も東京都内の再開発が活発。デジタル技術を活用した「スマートシティ」開発も進む。アメリカでの賃貸住宅建設、新興国での都市開発など海外事業も積極展開している。
■賃貸仲介会社は、「生活情報」も提供
アパートやマンションなど賃貸住宅の仲介業は、入学や入社・転勤のシーズンが繁忙期。景気が減退すると、企業がコストのかかる人事異動を控え、物件の動きが鈍るが、景気が上向くと活発化するといった傾向がある。賃貸仲介会社は、地域に根付いた小規模な会社も多く、地域の不動産オーナーとの関係を築いている。一方、全国展開する大手は、引っ越しや新生活をサポートする付加価値サービスを充実させている。
リフォーム分野の強化、エコ住宅に取り組む戸建て業界
■地域に根付いた強い企業が多い
戸建て住宅の企画・建築・販売を行うのが「ハウスメーカー」。大手の独占市場ではなく、地域に密着した中堅・中小規模の工務店も強いのが特徴だ。各社は、工法・素材・設備・価格などで、競合との差別化を図っている。コロナ禍を機に在宅勤務が定着しつつあることから、首都圏では郊外の建て住宅の人気が高まっている。建設・不動産・住宅人口減少に伴い、国内の新築住宅の市場規模は縮小していくが「リフォーム」の市場は今後も成長が見込まれる。
■大手は「次世代住宅」を開発へ
「省エネルギー型住宅」にも注目が集まる。住宅大手は、家庭の消費エネルギーを削減し、太陽電池で創出するエネルギーを利用することで年間エネルギー消費量をおおむねゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」を開発。普及を図る。2EHのノウハウを活かして環境配慮型マンションを開発し、マンション事業の拡大を狙う動きも見られる。
また、インターネットとあらゆるモノがつながる「IoT」の波は住宅業界にも押し寄せている。IoT住宅」「スマートハウス」としてのブランディング、サービス拡充にも力を入れる。
省エネ対応製品の需要が伸びる住宅設備業界
■リフォーム向け商材を強化
サッシ・シャッター・石膏ボードなどの建材や、キッチン・バス・トイレといった水まわり機器を提供する住宅設備業界。特定製品を専門に扱うメーカーが多いが、5社の統合によって誕生したLIXILは海外企業のM&Aも進めるなどして規模を拡大している。
コロナ禍の影響による「リフォーム」需要も業績を後押しする。引き続き、省エネ効果のある製品や高性能製品の開発にも取り組むほか、住宅用蓄電池事業にも乗り出している。
この記事のおさらい!
1,業界構造と特徴
建設業界はゼネコンを頂点とするピラミッド構造を持ち、約9割が中小企業。プラント産業は生産設備一式を扱い、主に海外市場で展開。不動産業界は開発・分譲、賃貸、流通、管理の4つの主要分野があり、不動産ファンドも台頭。住宅産業はハウスメーカーと地域密着型の工務店が競合し、住宅設備業界では総合メーカーの台頭が見られる。
2,市場動向と需要の変化
建設業界ではコロナ禍で民間需要が縮小する一方、公共工事は堅調。物流施設やデータセンターの需要が増加。不動産業界ではオフィス需要の変化や郊外マンションの人気上昇が見られる。住宅業界では新築市場の縮小が予想される中、リフォーム市場の成長が期待される。プラント産業では海外の大規模プロジェクトが主流だが、国内では脱炭素化関連の需要が増加。
3,技術革新と環境対応
全産業で脱炭素化やデジタル技術の活用が進む。建設・不動産業界ではスマートシティ開発やIoT住宅の普及が進み、住宅業界ではZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の開発が注目される。住宅設備業界では省エネ製品や高性能製品の開発が進む。プラント産業では再生可能エネルギー関連設備の需要が高まる。
4,国際展開と競争力強化
建設業界や不動産業界では、人口減少に伴う国内市場縮小を見据え、新興国でのインフラ整備や都市開発事業など海外展開を強化。プラント産業は主に海外市場で展開し、技術力とコスト面での国際競争力向上に取り組む。住宅設備業界でも大手企業を中心に海外M&Aなどグローバル展開を進める。
5,業界の課題と今後の展望
建設業界では資材価格高騰や人手不足が課題。不動産業界ではコロナ禍による需要変化への対応が必要。住宅業界では新築市場縮小に対し、リフォーム市場の開拓や環境配慮型住宅の普及が重要。プラント産業では国際競争の激化に対応する必要がある。全産業共通で、デジタル化への対応や環境問題への取り組みが今後の成長のカギとなる。